『教養主義の没落』(中公新書)
”教養主義”について、大学の授業で数回しか聞いたことがない
理系大学生が読んでみた。
「聞いたことはあるがよく知らない言葉」のオンパレードで
検索しながら読み進めた。
読んでいてふと自分は教養主義者的と似ているかもしれない
と思った。私は地方出身で親は大学を出ていない。
私立大学に進学。周りは遊んでばかりの学生と大学に進学するのが
当たり前のエリート達。”エリート学生”は有名な本の内容は
当たり前のように知っていて、受けた教育も自分とは全然違う最先端のものだった。
遊んでばかりに見える人も一般常識として知っていた。
地元でそんなことを知っているのはガリ勉か読書家くらいであった。
『三四郎』の主人公と同じように文化衝撃を受けた。
ひけめを感じていたからだろうか。エリート学生と話しているときに
やたら東京といっても23区内ではないだの兄弟全員大学に通えるような家
なのに貧乏ぶるなど本人には悪意はないだろうが、
このような謙遜に嫌悪感を覚えていた。
このモヤモヤした感情は『三四郎』を読むと少しは理解できるのでは?と思った。
私にとってまだ早い本だと思う。本書に出てきた本を読み倒してから
またこの本に戻りたい。特に『三四郎』は最初に読みたいと思った。
少し知識が増えたら帰って来て、そこからまた教養の海に潜る。
これを何度も繰り返せる”ハブ空港”となる本であった。
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